指揮について
基本的に、曲の一拍前から振りはじめる
         本番に 「一、二、三、はい」などと4拍も前から振らない。
 指揮棒を完全に止めた状態から。動き始めて、指揮者も演奏者も、息を吸う。

○強起の曲の場合
 ・2拍子  2拍から振りはじめる。 
 ・3拍子  3拍から。
 ・4拍子  4拍から。
○弱起の曲の場合
 ・弱起の一拍前。
○裏拍から始まる曲の場合
 ・等速度運動で、表拍をたたく。

音の止め方は、伸びている音のエネルギーに合わせて止める動作を
○フォルテかビアノか、
 クレッシェンドで終わるのか、ディミニュエンドで終わるのかにあわせた止め方を。

指揮者も打楽器もフレーズでブレスを
○特に出だしは、全員が息を吸う。

フェルマータは、ついている拍で指揮棒をとめて
○演奏者の意識を、指揮者に集中させ、各自にばらばらに拍を数えさせない。

練習中は、時々途中でテンポ等を変化させて
○ある程度出来上がり、仕上げに入ったら、演奏者の集中力を高めたり、指揮棒にあわせる意識を強 化するために。あくまでも、演奏者が指揮者に合わせると言う事の再確認。

テンポやダイナミクスの変わる時は、その拍の前で表現する
○その拍に来てからでは遅いので、一瞬前に指示できる練習を。

楽団の心臓は、指揮者一人の鼓動で
○演奏者一人一人に拍の流れを数えさせずに、指揮者のタクトで数えさせる。

強弱は、図形の大きさで
○強ければ大きく、弱ければ小さく振る。

スタッカートやレガート等の表情は、図形の形で
○スタッカートは鋭く軽やかに、マルカートは力強く重く。レガートは滑らかに。

常に、新しい要求を一つか二つ与え続ける

○子どもが努力すればできそうなことを与え、気持ちの持続を図る。

表現の第一歩は、ダイナミクスから
○ある程度演奏できるようになったら、強弱を付けていくことでレベルアップができる。
○クレッシェンドの出発は弱く、デクレッシェンドの出発は強く。
○ディミヌエンドの記号がついているところは、まだ弱くない。
○強弱記号は、前後の関係から相対的に。


指揮者はなぜ必要か
○始めは、演奏者のリーダーが合図を出していました。また、だんだん大勢で演奏するようになる演奏中 のテンポの乱れを防ぐために、長い棒のようなもので、コツコツと音を出していましたが、演奏中に余分 な音として存在する事となります。
 物をたたく代わりに空間で叩く動作を見せることにより同様の効果をあげる工夫をしたのです。
○テンポが示され拍子やダイナミクスが複雑になると、目で見てわかる図形が作り出されます。
 さらに、表情豊かな演奏やバランスを要求する曲が生まれると、演奏しながらでは不可能になり、特別に役   割を果たす指揮者が必要とされました。指揮者が専門的な職業として立つことになった のは、そんなに昔か  らではなく、バロック時代には、いませんでした。もっとも、当時は作曲者=演奏者の場合がほとんどだった    わけですが。
指揮者の役割
○音の出だしを示す       ○テンポを示す       ○拍子感を伝える
○演奏のミスを指摘する     ○表情を示唆する     ○バランスを整える
○曲を解釈し、演奏者に具現化させる

指揮のテクニック
○他の楽器の演奏と同じく、演奏団体(楽器に)に自分の意図することを伝えるための技術、指揮法が必要となってきます。